パターンを製図する
洋服のデザインが出来たら、デザイン画を下に「パターン」が起こされます。
パターンとは型の事で、型紙の事を指します。平面のデザインを洋服という立体的なものにする為の設計です。アパレルメーカーでは、この「パターン」と呼ばれる設計図を作る専門技術者を「パタンナー」と言います。(モデリストと呼ぶ場合もありますが、どちらも意味合いはほぼ同じです)デザイン画(絵型)を見て平面設計します。
デザインを解釈し、布の特性や縫製を考慮し製図します。専門技術が必要になるため、専門学校や相当する学校などで技術を習得し、経験を積み重ねて腕を磨き上げる職業です。従来の方法では、ハトロン紙という大きい白紙に製図用具を用いて設計しますが、現在では「アパレルCAD」というソフトを用いて、PC上で設計する方法が多く普及しています。CADを用いることで様々な作業効率が上がります。生地を裁断する工場にパターン情報をデータで送る事ができ、タイムロスを可能にし、紙という資源も減らすことができます。
グレーディング(サイズ展開)を行う際も時間、コストなどメリットが多いです。が、勿論従来の方法で製図しているアパレルメーカーもまだまだあります。また、平面作図だけではなく、立体裁断を用いてパターンを作る場合もあります。立体裁断とは、トルソー(ボディ)と呼ばれる布製の人型に布を当てながら、ピンと鋏で服の形を作っていく作業のことです。
手引きパターン、CADパターン、立体裁断パターン。パターンを作るといっても実は様々な技法があります。
洋服のデザインによって、どの技法でパターンを作るか変わります。どの技法にしても洋服を理解していなければ美しいシルエットは生まれません。まさに職人技。消費者にはなかなか伝わる機会のない部分ですが、どんなに素敵なデザインも、パターンがあって初めて立体にすることができるのです。造形美、着心地、生地の風合い、縫製、様々な事を考慮され、パターンは生まれます。
素晴らしいデザインを活かすも殺すもパタンナー次第といっても過言ではありません。