刺繍
刺繍とは、針と糸を使って布の上に絵柄を描いたものを指します。
刺し方や糸によって様々な柄やモチーフを作ることができ、洋服の装飾として古くから親しまれてきました。
刺繍の歴史は非常に古いものだと言われ、エジプトのピラミッドからもビーズ刺繍を行った布が発見されたこともあり、人類の文化とも深いつながりがあるとも言われています。
刺繍はそれぞれの国や文化によって、様々なバリエーションが生まれ今日に至ります。
オートクチュールにも用いられるフランス刺繍。着物や帯に用いられてきた日本刺繍。その他にも、インドのグジャラート刺繍やカシミール刺繍、タイのヤオ刺繍、ハンガリーのマチョー刺繍など、世界には様々な刺繍技法が存在し、1針1針丁寧な手作業で美を形成する刺繍芸術は今も脈々と受け継がれています。
その一方で、能率化の道具としてミシンが生まれ、更にはミシン機能とコンピューター機能が合体し刺繍の出来るマシンが誕生しました。今では家庭用のコンピューターミシンで様々なモチーフがボタン一つで完成します。
工場用の刺繍マシンでは、一度に大量の刺繍を刺すことができます。
機械が進化しても手作業の刺繍文化が消えることがないのは、魅力ある証拠です。
また、FUKURUオフィスのある群馬県桐生市では横振刺繍という伝統刺繍があります。スカジャン(横須賀ジャンパー)の背面に描かれた、立体的な刺繍を施す技術です。横振りミシンには、通常の縫製ミシンにある布を抑える機構などがなく、針が左右に動きます。
その動きの幅をペダルを踏みこむことで変えることができます。また、一度縫った縫い目の上にさらに刺繍を重ねることで、コンピュータ式ミシンの刺繍にはない厚みと立体感、陰影が生まれます。
刺繍は洋服の装飾だけでなく、芸術作品としても評価される技術のひとつです。