カーボンフットプリント
【カーボンフットプリント(Carbon Footprint)】とは、直訳すると「炭素の足跡」です。
広義には特定対象のCO2の排出量(正確には他の温室効果ガスを含めたCO2換算量)を表し、狭義には製品のライフサイクルを通したCO2の排出量を表します。
例えば、1枚のTシャツで見てみると、コットンの栽培、服を製造する際の工場の排気ガス、売り場まで輸送する際の排気ガス、服を処分するために燃やしたときに出る二酸化炭素などが合わさった数字となります。排出する温室効果ガスの量を表す指標のため、少なければ少ないほど良いとされています。
カーボンフットプリントを算出する意味とは?
それは、商品のライフサイクルごとで発生する、温室効果ガスの量を把握することで、どこで環境負荷が多いのかが明白になり、それぞれのプロセスでカーボンフットプリントを減らす取り組みができるためです。また、消費者としては、商品のカーボンフットプリントを知ることで、より環境に優しい選択をすることが可能になります。
このように、事業者と消費者の双方で、環境負担を減らすためにも、カーボンフットプリントは重要な役割を果たすのです。
カーボンフットプリント発祥の地は、イギリスです。イギリス政府が「PAS2050」と呼ばれるカーボンフットプリントの規格を創設し、複数の企業で実証実験を開始。2007年にポテトチップス、スムージー、シャンプーなどで世界初のカーボンフットプリントのラベルが表示されました。
以後、普及が進み、このラベルはオーストラリア、ニュージーランドにも流通しています。
その後、欧米や日本、韓国、タイなどアジアにもカーボンフットプリントの考え方が広まり、各国が独自にカーボンフットプリントの規格を作り始めました。そのカーボンフットプリントを用いて商品化させたファッションブランドに米の「Allbirds」オールバーズという会社があります。(https://allbirds.jp/)
カーボンフットプリントを減らすために、オールバーズは製品ごとの数値を測り、公表しています。具体的には、素材調達から廃棄に至るまでのライフサイクルを5つの段階に分けて、各段階での排出量を測っています。(素材・製造・輸送・洗濯・廃棄)石油由来の合成素材を可能な限り天然素材に置き換え、 耐久性を高めるために、必要に応じてリサイクル合成素材を使用して天然素材の含有のバランスを保ったり、天然素材の性能をより良くするために新しい技術を開発したり、努力を続けています。
さらに、もう1つ大切なことがあります。
それは、地球に優しい製品を作るためには、そもそも使用する素材の量を最小限に抑えるべきだということです。梱包方法や、工場で無駄なく素材を使い切る製法においても工夫をしています。 「より少ない素材で、より良いことを行う」ために、製品の寿命を延ばすことはもちろん、使い終わった後の製品に新たな命を吹き込む方法も考えています。
以上カーボンフットプリントの最先端ブランドについてです。サスティナブルファッションといってもその方法、アプローチも様々です。作り手(事業者)としても消費者としても、より環境に優しい選択をし、持続可能な社会を担いたいですね。